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シーンの研究

公開日: : 映画とか脚本とか

漫画小冊子PRO-0049

『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』
というい映画をご存知でしょうか?

無風状態の地盤でのんきに下院議員をやっていた政治家がソ連侵攻によるアフガニスタンの現状を知り、突然政治に目覚める。今まで人脈や恩を売っていた政治家に協力させてついにソ連のアフガニスタン侵攻を食い止めるが・・・・・・。

といったストーリです。

特別な大感動作・・・というわけではないですが、とても素晴らしいシーンがあったので今回はそれについて書いていきます。

それはクライマックスの重要なシーンでもなんでもなく、物語が動き始める…という瞬間のシーンです。

前提として・・・・


チャーリーがアフガンの惨状を見てソ連を倒せ!!と盛り上がりアフガン駐留のCIAに「ソ連をやっつけるには何が欲しい?いくらでも予算を取る!!」というのですがCIAの方はのらりくらり・・・・。別にアフガンのためにアメリカが出てきたと大事になって困るからと消極的、逆に「シロートが口出してんじゃねえ!」と明らかに馬鹿にした態度でした。

次に現れる重層的に情報が伝わるシーン


本国に帰ったチャーリーはアフガンの現状を訴えようとCIAの上層を呼び出すとなんと冴えない局員が現れる・・・。

チャーリーはここでも自分がどれほど本気がCIAには伝わってないと怒ります。しかしこの冴えない男こそ、今は冷や飯を食っているがアフガン問題に詳しい現場のたたき上げの人物だったのです。

『おお~~~~これでチャーリーの想いが伝わり、実現に向け動く男が現れた~~』と観ている方は気分が上がります。

しかし、ここでチャーリーが説明を聞かされるだけのシーンにはなっていませんでした。ちょうどおなじときにチャーリー自身がコカイン吸入容疑で疑いがかかり…という事態が起こります。

秘書が刻々と変わる状況を伝えにチャーリーのオフィスに入るたびに冴えないCIA局員は話の核心に触れそうになっているにもかかわらず外に出される。
それが3回ほど繰り返されます。そこがものすごくおかしい。

しかも
ただ説明をしているシーンを見ているよりも、

より、言いかけたことが気になり、印象に残る


という効果がありました。


そして、それの被せてこういう情報も入ってきます。

この入れ替わり立ち替わり入ってくる、秘書たち(4人ほど)。

チャーリーのオフィスで初めて登場した時から巨乳を強調するいでたちでいかにも適当議員チャーリーが能力度外視で自分の好みのタイプを集めただけ・・・・・という感じ。

しかし、ひとたびチャーリーの政治生命が危ういコカイン吸入疑惑という危機的状況ではスピーチの草案を速攻で仕上げたり、根回しの相手を人選したりと超有能に4者4様に立ち回ります。

このシーンだけで秘書たちに対してこちらが持った先入観への裏切りが描かれ、しかも、彼女たちがチャーリーを尊敬し、周りにどう見られているかもわかったうえで敢えて、チャーリーの好きな胸強調スタイルをしてるんだとわかり、なんだかチャーリーの株も上がります。

なんて重層的に情報の詰まったシーンだろう。

こんなシーンを書いてみたい。

そう思う今日この頃です。

この脚本をかいたのはソーシャル・ネットワーク The Social Network (2010年)、マネーボール Moneyball (2011年)を脚色したアーロン・ソーキンさん。スクリプトドクターもされているようです。

神は細部に宿る・・・

なんちって・・・・

今までは物語の「型」とか大枠の話をしてきましたが、
例えばこちらドキュメンタリーの型について

今回のようなシーンに限定したお話も書いていきたいと思います。
ではまた次回・・・・。

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